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    Sufjan Stevens 「Carrie & Lowell」について
    category: 2015年のアルバム | author: hashimotosan
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      僕はSalyuがとても好きで、よく聴いていました。
      よくライブにも行っていて、ライブで聴く彼女の圧倒的な声の存在感は凄まじかったです。
      彼女の声は伸びやかでどこまでも届きそうな高音の美しさと、どこか湿っぽい混沌とした何かが同居しているところが素晴らしいですよね。
      ただきれいな声じゃない何かがあるような気がします。
      そんなSalyuがデビュー当時にLily-Chou Chouとして活動していた頃、「飛べない翼」という曲がありました。
      この曲はいじめを受けていた少女?(少年)が現実の世界に絶望し、飛び降り自殺をするという内容の歌でした。
      とても重い内容ですが、曲調はとても穏やかで軽やかな印象すらあります。
      Salyuは当時この曲を歌うのにとても苦労したそうです。
      どうやったらこの少女の悲しみを表現できるんだろう?
      泣きそうな声で歌ってみたり、暗い表情で歌ってみたり。
      でもその時ある先輩が教えてくれたのが、サラ・ヴォーンの「Summertime」という曲だったらしいです。
      母が子に歌いかけるような歌で、実際は貧乏でとても厳しい生活なんだけど、子供には笑顔で「大丈夫。私たちはこんなに美しいし、豊かだし幸せよ。」と言い聞かせる内容です。
      本当に悲しい時は人はかえって笑顔で歌おうとする。そういう風に教わったそうです。
      それが「飛べない翼」を聴くとよくわかると思います。
      今回なぜこれを書いたのかというと、スフィアン・スティーヴンスの「Carrie & Lowell」を聴いて、そのことを思い出したからでした。



      このアルバムの曲はどれもとても爽やかで聴いていて心地のいいフォークサウンドです。
      ギターの軽やかな音と彼の囁くような声が非常に気持ちいいです。
      でも歌われている内容はとても悲しい物語です。
      アルバムタイトルの「Carrie & Lowell」とは、彼の実の母親とその再婚相手の名前だそうです。
      彼の母親は彼が幼い時に彼を置いていき、再婚しました。
      再婚相手のLowellはとてもいい人で、色んな音楽を聴かせてくれました。
      特別なことをしてくれたわけではないけど、いつも側にいてくれたようです。
      その後母親のCarrieはアルコールや薬物中毒などで施設に入れられ2012年に他界します。
      そんな母親に対する思いが淡々と描かれています。1曲聴いてみましょう。



      「僕が3歳か4歳の時、母は僕達をビデオストアに置いていなくなった。」という告白から始まります。
      その時に感じた喪失感や虚無感は彼に大きな傷を残します。
      過去は過去だし何も変えられない。そんなこと分かってるつもりなんだけど、やっぱり心が痛んでしまう。
      疎遠だった母親の死が目の前に迫っている中、彼はそれをLowellと共に看取ることにしたようです。
      母親が自分にしたことはひどいことだとは分かってるんだけど、どうしようもなく悲しい。ではもう1曲。



      彼は母親が亡くなった後、それを受け入れられず心身ともにボロボロになり母親と同じようにアルコールや薬物に溺れていきます。
      それでも自分と向き合い、すべてを受け入れ立ち直りLowellのサポートもありながらこのアルバムを制作しました。
      つまり誰のためでもなく自分のために作ったアルバムなんですよね。
      とんでもなくリアルで悲しいストーリーで聴いていて辛いかもしれません。
      メロディーやトラックはとても温かみのあるものだからかえって。
      でも単純に曲として素晴らしいものばかりで、全編通して同じようなトーンで淡々と進んでいくのに、なぜか惹きつけられてしまうのがこの人の凄いところ。
      これはぜひ聴いて体感してもらいたいですね。

      本日のBGM:Sufjan Stevens 「Should Have Known Better」
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      Jamie xx 「In Colour」について
      category: 2015年のアルバム | author: hashimotosan
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        ジェイミー xxの「In Colour」も間違いなく今年を代表する傑作でした。
        僕の一番好きなアーティストの1人がドレイクなんですが、彼が2011年に出した「Take Care」のタイトルトラック「Take Care feat. Rihanna」はそのアルバムの中でも一際異質な曲でした。
        「Take Care」は僕にとって待望のアルバムだったので、事前にリアーナやスティーヴィー・ワンダーが参加することは知っていました。
        しかもタイトル曲だし、このアルバムを象徴するような曲なんだろうと思って聴くと・・・?
        なんか今まで聴いたことのない新しい感覚だったんですよね。
        調べてみると、ギル・スコット・ヘロンの曲をジェイミー xxがリミックスした「I'll Take Care of You」をまんまサンプリングした曲だとわかって、これが彼をはじめて意識した瞬間でしたね。
        ほぼ同じくリアーナも「Talk That Talk」を出して、その中の「Drunk On Love」という曲でThe xxの「Intro」をサンプリングしていて、自分の中で完全に繋がったんですよね。
        あー、ジェイミー xxってThe xxの人なんだと。
        いわゆるビルボードにランクインするような大衆的な音楽を中心に聴いてきた自分にとって、The xxやジェイムス・ブレイクってインディーの音楽も素晴らしいんだと改めて気づかせてくれた特別な存在なんですよね。

        そんなジェイミー xxが今年出した「In Colour」。



        このアルバムはジャケットやタイトルからも分かる通り、カラフルな内容です。
        The xxの「xx」のジャケットが白黒なのと対比するかのような鮮やかな色彩。
        ダンスミュージックってただ人を踊らすための音楽ではなくて、ちょっと休みたかったり、ふと何か考えてみたり、そしてまた踊りだしたり、色んな感情が生まれるものな気がします。
        それがアルバム1枚聴くと体感できるような感覚のサウンドです。
        UKのダンスシーンを代表する彼が、世界の様々な音楽を自分の中に取り入れ完成させた一つの到達点のようなアルバムだと思います。
        では1曲聴いてみましょうか。同じThe xxのメンバー、ロミーをフィーチャーした「Loud Places」。


        なんて美しい曲なんでしょうか。
        ロミーの声が空間に揺らいで消えそうで消えないロウソクの炎のように儚いかんじですよね。
        喧噪の中で孤独を感じる雰囲気が曲からも伝わります。
        細かい部分までこだわった音使いがジェイミーらしいですよね。
        この曲を聴くと、早くThe xxの曲も聴きたいと思ってしまいますね。
        こういった切ない曲もあれば、全く違う雰囲気の曲もあります。ラッパーのヤング・サグとダンスホールレゲエのアーティストポップコーンをフィーチャーした「I Know There's Gonna Be (Good Times)」です。



        この曲ではダンスミュージックのトレンドの一つであるダンスホールやヒップホップを取り入れていて、かなり不思議なサウンドですよね。
        ジェイミー xx流に調理されたカリブサウンドがとても新鮮でかっこいいです。
        このアルバムの中でも一際異彩を放っているこの曲ですが、もの凄い情報量が詰め込まれた楽曲ですよね。
        サンプリングされた音から始まり、レゲエ風のMCとリズム、ヒップホップテイストのサウンドなどなど、この曲は一体どんなジャンルなのか、そんなことどうでもよくなってしまうほど盛りだくさんな曲です。
        この他にも様々な要素を盛り込んだ緩急のあるサウンドで、アルバムがさらっと聴けてしまうんですよね。
        ダブステップやハウス、テクノなど曲ごとに展開するので、聴いていて楽しいですよ。
        不思議と再生回数が増えてしまうアルバムでした。
        ぜひ聴いてみてください。

        本日のBGM:Jamie xx feat. Romy「Loud Places」
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        Kendrick Lamar 「To Pimp a Butterfly」について 
        category: 2015年のアルバム | author: hashimotosan
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          今年発表されたアルバムの中で自分が最もよく聴いたのがこの「To Pimp a Butterfly」でした。
          前作「good kid m.A.A.d. city」が、幼少期から段々と成長し、様々な経験をしていく様をリアルに描いたコンセプトアルバムとしてあまりにも完成されていたので、2作目への期待はとんでもないものになってました。
          どこかであれを超えるものはまぁ無理だろうとすら思ってました。
          それほどよくできたアルバムだと思います。
          去年「i」が先行シングルとしてリリースされた時、少し違和感を感じたんですよね。
          アイズレー・ブラザーズの「That Lady」をサンプリングした、意外と彼の作品にはなかったソウルフルでアゲアゲなトラック。
          前作で完全にスターラッパーとなった彼がラップしたのは、そこで得た自信でした。
          「色んな苦難が俺を苦しめてきたけど、すべて乗り越えてきた。今の俺は誰にも止められない。みんなもまずは自分を愛そう。自分を愛さないと誰かを愛することはできない。」
          でも自分が感じたのはケンドリックらしくないなということ(笑)
          ものすごくかっこいい曲なんだけど、あのネガティブだった彼がここまで変わるんだと。
          そんな中今年3月に突如「To Pimp a Butterfly」がリリースされました。



          彼のラップは非常に複雑で、比喩に比喩を重ねたような表現や、日本人には到底理解できないような内容も多いので、最初に聴いた時には歌詞の意味はほとんど理解していませんでしたね。
          フライング・ロータスやサンダーキャットの参加などからもわかるように、ジャズの要素を多く取り入れていたり、前作にはない楽曲の幅広さがあって、サウンド面での洗練度がえげつないなと思いましたね。

          さてこのアルバムが素晴らしいのはやはりその歌詞。
          日本盤が出て歌詞を見て読んでこの人はやはりただものではないと感じました。
          かなりざっくりではありますが流れを。
          アルバムは、ケンドリックが黒人としてアメリカという国で感じる葛藤を語るところから始まります。
          現代ではもう人種差別はないというけど、成功したって騙されて刑務所に行くやつもいる。
          音楽業界だってそう。黒人アーティストを使い捨てるみたいな。そんなの間違ってる。
          この辺はやはり白人警官による黒人少年射殺事件を受けてでしょうね。
          その後先行して発表された「King Kunta」へと繋がっていきます。



          ここで彼は自分は今のラップシーンを引っ張っているキングだと宣言してます。他のラッパーを攻撃するようなフレーズもありますね。
          ただこの後自信満々だった彼にもいろんな問題が起こりまして、徐々に壊れていきます(笑)
          地元の連中を豪華な場所に連れていくと、彼らがいろんなセレブから盗みを働こうとしたり。
          友達が殺されてしまって、刑務所の中の犯人にその犯人の彼女と寝ることで復讐するという、かなりねじ曲がった方向へと話は行きます。
          そこで自分は無力だと感じてしまうんですね。自分は成功したけど周りの連中を変えることはできないし、こんな復讐をしたって友達は帰ってこないし。こんな自分が嫌でしょうがないと。
          その後「Alright」へと。



          ビデオを観ると分かりますが、最後撃たれて地面に叩きつけられてますよね。
          この曲実は精神的に参ってやけになって自殺しようと思っているみたいな内容なんですよね。
          「もうどうしようもない状態だし、大嫌いな警官を撃ったって大丈夫だよな!」
          黒人少年射殺事件に対する強烈な皮肉が込められた曲です。
          そんなこんなでやばい状態のケンドリックなんですが、徐々に光が見えてきます。
          黒人のルーツであるアフリカに行ってそこで自分と向き合って、ラップの素晴らしさを改めて感じたり、自分らしくいることの大切さに気付くんですね。
          そこで聴こえてくるのが「i」です。



          これはやられました。こういう流れだったのかと。
          アルバムの流れで聴くと全く違う感じですよね。
          そしてこのアルバム、最後の「Mortal Man」でとんでもない展開になるんです。
          ケンドリックはアルバムに何度も登場してきたある詩の完成形をある人に聴かせます。それがなんと2パック!
          2パックはケンドリックと同じ西海岸を代表するラッパーで、射殺されてしまった今でも伝説として語り継がれる存在なわけですが、この曲でケンドリックが語り掛ける2パックはなんと本物なんです。
          亡くなる前にラジオのインタビューを受ける2パックの音源を使用して、まるでケンドリックが2パックにインタビューをしているかのような内容になってるんですよね。
          これがもう自然すぎて最初分かんなかった(笑)
          しかもそのインタビューの内容がことごとくこのアルバムの内容と一致してるんです。
          このインタビューの内容から逆算してアルバムの曲の内容や順番を決めたんでしょうね・・・。
          もう恐れ入りました(笑)

          最後にタイトルである「To Pimp a Butterfly」の意味を語っています。
          「Pimp」っていうのは売春婦を斡旋して管理する、言わば風俗店のポン引きみたいなやつのこと。
          黒人の成功者であるマイケル・ジャクソンやDr.ドレー、2パックそして自分ケンドリック・ラマーも含め、成功して羽ばたいた「Butterfly」はかつてはみんな「Caterpillar(芋虫)」だった。
          そんなButterflyを騙し、搾取して使い捨てるPimpのようなことをするこの国家は間違っている。
          アルバムタイトルは黒人の成功を搾取し利用するアメリカという国家に対する怒りが込められていたんですね。
          でも本当に彼が言いたかったのは実はアルバムの最初と最後のフレーズに隠されているんですね。
          「Every Nigger Is a Star」全ての黒人がスターなんだということ。
          「Although the butterfly and caterpillar are completely different they are one and the same」CaterpillarとButterflyは結局は一緒。みんなButterflyになり羽ばたく時が来るということ。

          このアルバム、最初は「To Pimp a Caterpillar」というタイトルだったみたいですよ。
          頭文字をつなげると、To PaC。2Pac!
          恐れ入りました(笑)
          間違いなく今年のナンバー1アルバムなので、まだ聴いていない方は絶対に聴いてください。
          もう聴いた方もこのストーリーを理解したうえでもう一度聴くと、新たな発見があるかもしれません。

          本日のBGM:Kendrick Lamar 「i」
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          Grimes 「Art Angels」について
          category: 2015年のアルバム | author: hashimotosan
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            Adeleの新作「25」が出るとわかるまで、今年最後の”待っていた”アルバムがこのGrimesの「Art Angels」でした。
            前作「Visions」が2012年の作品なので約3年ぶりとなる2作目。
            Beyonceのような歌、ダンス、パフォーマンスのどれをとっても完璧な女性。
            Taylor Swiftのような自分を削って書いた歌詞が世の中の女子の共感を一手に浴びる女性。
            そんな現代の女性アーティストのお手本のような2人とは全く異なる存在がGrimesです。
            楽曲の全てを彼女1人で手掛けている自作自演の極みのような存在ですよね。
            エレクトロポップな楽曲を自宅で作って録音し制作するいわゆるベッドルームミュージックと呼ばれる彼女のスタイル。
            今回の「Art Angels」のジャケットがこちらです。


            これを見ればわかる通り、彼女はとても日本の文化に影響を受けているようですね。
            グロテスクで奇抜、毒々しさも感じるカラフルなイメージ。
            きゃりーぱみゅぱみゅにも似た感じでしょうかね。
            ただGrimesのすごいのはこれらのイメージも、楽曲も全て彼女1人でやっていること。
            ポップアイコンになることを拒んでいるかのような感じが彼女らしいですよね。
            「ポップ」って華やかで大衆的なという意味もあるけど、同時にありふれているとも取れる不思議な言葉だなと改めて思います。
            先行シングルの「REARiTi」を聴いてみましょう。


            浮遊感のあるトラックで歌うのは孤独。
            未来的なサウンドなんだけど、メロディーはどこか懐かしさも感じるような不思議な曲ですね。
            「現実へようこそ」があまりにも印象的ですね。
            そして先日公開された最新のビデオ「Flesh without Blood」を観てみましょう。


            かなりキャッチーですね。彼女特有の気持ちよさと気持ち悪さが同居した感じがとてもよく出てる曲だと思います。
            人工的な甘味料をたっぷり使って作られた、美味しいし癖になるんだけど身体に悪いお菓子みたいな感じ(笑)?
            このアルバムを聴いて、自分はBeyonceにもTaylorにもLady Gagaにもなれないし、なるつもりもないと彼女が言っているように感じました。
            実際このアルバムの最後の曲「Butterfly」で、「私はDream Girlになんて絶対にならない」と歌っています。
            みんなが期待するような女の子になんてなってあげませんよーみたいな感じでしょうか。
            これはGrimesを象徴しているような一節だなと思いましたね。
            先日Adeleがインタビューで最近聴いているアーティストを聞かれて、Grimesと答えていました。
            自分とは全く違うテイストだし、共感できないから聴いていて面白いんだそうです。

            来年1月には来日するみたいですね。前回来日した時は、たしかライブ40分で終わりましたからね(笑)
            Janelle Monáeも参加している「Art Angels」、ぜひ聴いてみてください。

            本日のBGM:Grimes 「Flesh without Blood」
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            Courtney Barnett 「Sometimes I Sit and Think, and Sometimes I Just Sit」について
            category: 2015年のアルバム | author: hashimotosan
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              先月末に恵比寿リキッドルームで観た彼女のライブがここ最近一番いいライブでした。
              僕はあまり激しいロックって好き好んで聴かないほうなんですが、このライブはとても楽しかったです。
              彼女を含め3人だけのバンドで、音はスカスカ。
              でも彼女のサウンドってスカスカなのが気持ちいい気がする。
              女性シンガーソングライターはこれまでに腐る程出てきたし、僕もいっぱい好きなアーティストがいます。
              Carole King、Joni Mitchell、Sheryl Crow、Adele、Norah JonesからTaylor Swiftまで、挙げきれないほどです。
              そんな僕が今年ビクッと反応したのがCourtney Barnettでした。
              オーストラリア出身の左利き・・・って関係ないか(笑)でも左利きっていうのがいかにも彼女らしさを表してる気がする。
              ド直球なロックサウンドがかえって新鮮に聴こえたんですよね。
              デビューアルバムが「Sometimes I Sit and Think, and Sometimes I Just Sit」。

              このジャケット彼女が自分で書いたらしいですよ。
              どこかゆるい、彼女のサウンドもそんな感じです。
              彼女の面白さはやはり歌詞です。
              まずはこのアルバムの先行シングル「Pedestrian At Best」を聴いてみましょうか。


              叫んでいるように畳みかける彼女が言ってるのは、とにかく「訳わかんない」ってこと。
              「あなたを愛してる。あなたを憎んでる。全てはどっちつかずでその時次第。」
              「私は独りぼっち。私は孤独。私はさそり座。」←ここ最高(笑)さそり座の女です(笑)
              一回聴いたら耳から離れない強烈な曲ですね。
              彼女が歌うのは本当にどーってことない日常の一部です。
              それを本当にそっくりそのまま歌詞にしちゃってたりします。

              そんな曲がこちらの「Depreston」。



              アコースティックなギターの寂しげな音色と、淡々と語るように歌うのが気持ちいい一曲。
              彼女が住んでいたメルボルンの町「Preston」で、不動産を紹介してもらう話。
              静かなところで、素敵な庭があって、車が2台止められるガレージがあって・・・。
              安くしてくれるみたいだけどなんで?と聞いたら、亡くなった方の不動産なのでというのでなんだか気が滅入った(Despress)。
              「彼女はどうしてこの物件を買ったんだろう?」
              そこで不動産屋は「50万ドル払えば取り壊して新築にできますよ。」と言った。
              という内容なんです。

              きっとこの物語には深い意味があって、人生の糧になるメッセージが込められている!ととらえる人もいると思います。
              一方で本当にただただダラダラ日常の話を歌にのせているだけの、どーでもいい内容の歌詞ととらえる人もいると思います。
              このアルバムのタイトルは「Sometimes I Sit and Think, and Sometimes I Just Sit」です。
              「私は時々座って考える、そして時にはただただ座っている。」
              なんか面白いでしょ(笑)
              多分彼女は聴く人に委ねてるんですよね。
              意味があるようでないし、ないようである。
              これが彼女の歌っていることなんですよね。
              アルバムの他の曲もこういう曲ばかりです。
              ぜひ聴いてみてください。

              本日のBGM:Courtney Barnett 「Depreston」
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