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    2017年下半期 個人的ベストアルバム50
    category: - | author: hashimotosan
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      今年の6月末に上半期ベストをやって以来、更新できていなかったこのブログですが、下半期もいよいよ大詰めなので今回もベストアルバム企画やりたいと思います。

      上半期のベストをチェックしてもらった方や、普段twitterで自分の好みを垂れ流してる様子を見てる方は分かるかと思うんですが、非常に雑食な音楽趣味をしておりまして(笑)、今回もかなり多種多様なサウンドが入り混じったラインナップになってます。

      自分の好みでないものも、気になるものがあったらぜひチェックしてもらえたらなと思います。

      今回もランキング形式にして書いてみたいと思います。

      それでは長くなりますが最後までお付き合いくださいね!

       

       

      50. Ducktails 「Jersey Devil」

       

       

      ニュージャージー州出身で元Real EstateのメンバーでもあるMatt Mondanileによるソロプロジェクト、Ducktailsの通算6作目となる新作。

      あらゆる角度からゆるさと心地良さを追求するとこういう音になるんだろうなって感じの極甘・脱力レトロポップサウンド。

      80sAORやフュージョン、シティポップに影響を受けた、良い意味でだらしない、グダグダな空気感が妙にクセになっちゃう感じ。

      80年代の日本のミュージックシーン、特に山下達郎に大きな影響を受けているみたいで、そのあたりのエッセンスも随所に感じられるような質感でしたね。

      リリースの直後にMattの過去の女性問題が明るみとなり活動は休止状態、この作品も流通がストップするなどのすったもんだがあったこともあって、正直入れるかどうか迷ったんですが、作品自体はとても素晴らしいものなのでこの順位にしてみました。

      ホント色々と残念…。

       

      Best Track:「Map to the Stars」「Solitary Star」「Mannequin」

       

      49. Majid Jordan 「The Space Between」

       

       

      Drakeやdvsnを擁するOVO Sound所属のデュオ、Majid Jordanの通算2作目となる新作。

      クールでスタイリッシュなストリート感溢れるグルーヴに、セクシーなムードを決め込んだモダンR&B。

      Drake周辺のアーティストらしく90sなR&Bのフレイヴァーを醸し出しつつ、現行のエレクトロと上手いことブレンドさせてるのが洗練されてますよね。

      メロウな流れの中で弾けるキックドラムのリズムがたまらなくカッコいい!

      ルイ・ヴィトンのショーでも彼らの曲が使われてたけど、ファッションと音楽は密接に関係してるということを改めて感じさせてくれるアルバムでしたね。

       

      Best Track:「Gave Your Love Away」「One I Want feat. PARTYNEXTDOOR」「My Imagination feat. dvsn」

       

       

      48. Kedr Livanskiy 「Ariadna」

       

       

      モスクワ出身の女性アーティスト、Kedr Livanskiyの去年のEPに続くアルバムとしてはデビュー作となる作品。

      Aphex TwinやBoards of Canadaなどに影響を受けたソリッドなエレクトロと、ドリーミーな空気感のテクノが溶け合った不思議な感触のサウンド。

      終始空中をフワフワと浮遊しているような感覚というか、モヤモヤしてるのに音の輪郭自体ははっきりと確認できる感じが面白かったですね。

      そこにのっかる耳馴染みのないロシア語の響きが、サウンドをより一層ミステリアスなものにしていて。

      真夜中に聴き出して変に高揚してきて眠れなくなるという不思議な遊びを繰り返してました(笑)

       

      Best Track:「Ariadna」「ACDC」「Love & Cigarettes」

       

      47. Knox Fortune 「Paradise」

       

       

      Chance the Rapperとの共演でも知られるシカゴ出身の24歳、Knox Fortuneのデビュー作。

      ここ数年はヒップホップやR&Bをベースにしたアーティストも、ロックやポップの要素を取り入れることがごく自然になってきてるけど、彼のサウンドはまさにそんな感じ。

      実際参加アーティストもDoonnie TrumpetことNico SegalやJoey PurpといったSave Moneyのメンツに加え、WhitneyやTwin Peaksのメンバーといった異色な顔ぶれも。

      ローファイなインディーロックな感触をヒップホップなビートにのせた独特なカラーのサウンド。

      個人的にやや肩透かしだったBeckの新作に期待していたサウンドがこんな感じでしたね。

       

      Best Track:「Lil Thing」「Help Myself」「Torture」

       

      46. St. Vincent 「MASSEDUCATION」

       

       

      孤高の女性ロックアーティスト、St. Vincentの通算5作目となる新作。

      今年の音楽メディアを始め批評家たちの間でも軒並み高評価の今年を代表する作品。

      なんですが、個人的には思ったほどハマらなかった!というのが正直な感想です。

      彼女の作品はほぼ全部好きですし、特に前作の「St. Vincent」なんてここ数年で最高のアルバムの一つだと思ってるんですが、だからこそ期待しすぎちゃいましたね。

      彼女にしか鳴らせないサウンドだと思うし、Princeへのオマージュのようなデジタルファンクは文句なくカッコいいんですが、彼女にはもっと硬派なものを求めてるというか、簡単に言えばポップすぎました。

      それはプロデューサーにJack Antonoffを起用したことによるものなんでしょうが、なんかTaylor Swiftが路線を間違えなかったらこんな音になってたかもみたいな印象でしたね。

       

      Best Track:「Pills」「Masseducation」「Los Ageless」

       

      45. Garren Sean 「GARREN, LP」

       

       

      ベイエリアベースのアーティスト、Garren Seanのデビュー作。

      アメリカの西海岸は昔からファンクミュージックが根付いていて、ヒップホップが主流になってからもウェッサイと呼ばれるサウンドやG-ファンクが生まれたり、独自のカラーを持った地域だけど、その最新形態がこのアルバム。

      70sソウルや80sファンクを再解釈して、そこに現行のR&Bシーンのサウンドを絶妙な配合でブレンドさせたネオファンクな質感。

      ぶっとめなベースラインやファンキーなカッティングギターの音色と、メロウでレイドバックなシンセのメロがまさしく西海岸の音を継承してるって感じ。

      Chance the Rapperの曲を手掛けたりもしてて、今後プロデューサーとしての活躍も期待できそうな存在ですね。

       

      Best Track:「Lift Off」「Desires」「Orange Juice/Memory」

       

      44. John Maus 「Screen Memories」

       

       

      Ariel Pinkの相方的存在、John Mausの通算4作目となる新作。

      ミッド80sのカオスで浮き世離れした空気感のシンセポップ〜ポストパンクサウンド。

      KraftwerkとJoy Divisionを混ぜたような不思議な音っていうか、怪しさもアクもクセも強烈なんだけど、妙に後引く感じでクセになっちゃう!

      サウンドもアートワークもビデオも、色んな意味でホント悪趣味なんだけど、こういうのって一度受け入れてしまうとどんどん底なしのようにハマっていくというか。

      安っぽいハロウィン映画のサントラみたいなテイストが最高でした。

       

      Best Track:「The Combine」「Touchdown」「Sensitive Recollections」

       

      43. Reptaliens「FM-2030」

       

       

      ポートランドベースのバンド、Reptaliensのデビュー作。

      派手な色使いではなく、パステルカラーで描かれたレトロな質感のローファイポップ。

      ほのぼのとゆったり流れるブレイクタイムなサウンドがとても心地良くって、長雨続きで憂鬱だった今年の秋の気分を軽やかなものにしてくれましたね。

      中心メンバーの2人はプライベートでもパートナーらしい。

      ゆるーくローファイなソフトロックな部分と、遊び心のあるサイケな部分を持ち合わせたサウンドになってるのは、2人の音楽的な好みの違いからなのかもしれないけど、そこはさすが夫婦って感じのバランス感覚でした。

       

      Best Track:「If You Want」「666Bus」「These Days」

       

      42. Courtney Barnett & Kurt Vile 「Lotta Sea Lice」

       

       

      当代きっての牧歌的SSWの2人のコラボ作。

      この2人がコラボアルバムをリリースすると知った時、もう確実に良いものができるだろうなと確信に近い予感がしたものでしたが、見事的中でしたね。

      ボーカルスタイルに違いはあるものの、2人の音楽性は共通点も多いし、セッション的にレコーディングしたであろうサウンドのラフな感じもイイ感じ。

      この作品に関しては自分よりフォロワーのサムさんのブログがとても読んでて楽しいのでぜひそちらもチェックしてみてください。

      Courtneyは来年新作をリリース予定らしいのでこちらも楽しみですね。

       

      Best Track: 「Over Everything」「Fear Is Like a Forest」「Outta the Woodwork」

       

      41. Japanese Breakfast 「Soft Sounds From Another Planet」

       

       

      オレゴン州出身のMichelle Zaunerによるソプロジェト、Japanese Breakfastの去年の大傑作デビュー盤から早くも届いた2nd。

      去年の年間ベストにもデビュー作を入れたけど、今作は大胆なエレクトロアプローチがサウンドに取り入れられてて、SFがコンセプトだったり色々な変化が感じられましたね。

      ただ彼女らしいキラキラでややアンニュイなオルタナロックは健在で一安心。

      前作のベッドルームサウンドに比べ、音が確実にハイファイになってるのも印象的。

      歌詞の内容やサウンドに変化は見られても、共通してるのはポジティブな音だという事。

      相変わらず素晴らしいセンスの持ち主でした。

       

      Best Track:「Road Head」「Machinist」「Boyish」

       

      40. Turnover 「Good Nature」

       

       

      ヴァージニア・ビーチベースのバンド、Turnoverの通算3作目となる新作。

      春のHoops〜初夏のBeach Fossilsからの流れを完璧な形で引き継いだような、優しく柔らかで涼しげなネオアコ〜ギターポップの心地良さったらもう・・・。

      これまでより明確にポップでクロスオーバーなサウンドになってて少し驚いたけど、個人的にはこの路線大歓迎!

      時々前のエモっぽいシューゲイズなざらついた音が顔を出す感じも好きですね。

      音の軽やかさとかスカスカ感とか力の抜け具合とか、ホント絶妙!

      今年の夏の終わりのBGMはこのアルバムでしたね。

       

      Best Track:「Super Natural」「Sunshine Type」「Nightlight Girl」

       

      39. Inner Wave 「Underwater Pipe Dreams」

       

       

      LAベースのバンド、Inner Waveの通算3作目となる新作。

      自分は今回のアルバムで彼らの事を知ったんだけど、完全に一聴き惚れな感じでした。

      適当に感覚的に味付けされた中毒性高めのノスタルジックでローファイな音触が妙に後引く感じ。

      ゆるめのシンセロックに程よくヒップホップのグルーヴをブレンドしてるあたりがセンス抜群!

      多ジャンルのサウンドが曲によって違った組み合わせで、違ったボリュームで現れる感じが面白いですね。

      こういう感覚がとても今っぽい音だなと思いましたね。

       

      Best Track:「Eclipse」「Forest」「Song 3」

       

      38. Susanne Sundfør 「Music for People in Trouble」

       

       

      ノルウェーベースの女性SSW、Susanne Sundførの通算5作目となる新作。

      聴くもの全てを癒やすフォーク〜ジャズの穏やかな音色と、壮大な世界までワイドに表現しきるボーカルの圧倒的なサウンドスケール!

      聴いてる間ずっと鳥肌が立ってたのはごく自然な体の反応だと思いますね。

      以前同郷のRöyksoppやM83ともコラボしてましたが、彼女のサウンドにも若干ドローンっぽいエレクトロな要素が感じられるところも面白かったですね。

      心安らぐ美しい自然のような部分と、実験的で色彩がビビットな部分が同居した感じが北欧っぽいなと思いました。

       

      Best Track:「Reincarnation」「Undercover」「Mountaineers」

       

      37. Charlotte Gainsbourg 「Rest」

       

       

      イギリス生まれでフランスを拠点に女優としても活躍しているCharlotte Gainsbourgの約7年振りの新作。

      ドリーミーなフレンチポップからダークディスコまでサウンドの幅は広いけど、終始支配してるのはフレンチ混じりのウィスパーボーカルが作り出す独特のアンニュイな空気。

      Paul McCartneyやDaft PunkのGuy-Manuel、Owen Palletに加え、ビデオにはDev Hynesといった豪華で異色なメンツが参加してるけど、ちゃんと自分のカラーを出しつつ上手くコラボレートしてるところがさすが!

      派手な色を使わずに美しく仕立て上げる色彩感覚が本当にお見事!

       

      Best Track:「Deadly Valentine」「Rest」「Sylvia Says」

       

      36. Madeline Kenney 「Night Night At The First Landing」

       

       

      オークランドベースの女性SSW、Madeline Kenneyのデビュー作。

      Toro y Moiが全面的にプロデュースに携わっているという、ある意味クオリティは保証されたような後ろ盾があるんだけど、彼女自身のソングライティングの力も素晴らしいものを感じましたね。

      シューゲイズの匂いが仄かに残ったギターロックのなんとも儚く切ない響き。

      彼女の心情とリンクするようなエモーショナルな展開も聴き応え十分!

      去年のMitskiやAngel Olsenのアルバムでも感じたけど、女性がギターをかき鳴らして奏でるロックサウンドって本当に美しいと思います。

       

      Best Track:「Rita」「Always」「Big One」

       

      35. Ibeyi 「Ash」

       

       

      フランス生まれでキューバ育ちの双子姉妹デュオ、Ibeyiの2nd。

      他の誰とも違う独特の響きはそのままに、よりワイドな表現力を身につけて深化したなという印象。

      神秘的で生々しい2人の声と溶け合うトライバルなエレクトロソウルサウンド。

      ミニマルなビートにジャズや民族音楽のテイストが絶妙な塩梅で加わる感じが見事!

      フェミニズムや民族観だったり、自分たちのルーツやカラーがテーマの曲が多かったり、単純に曲のクオリティが明らかに上がってるのは、やっぱりBeyoncéの「Lemonade」に参加したのが大きかったんじゃないかなと思いますね。

      Adeleがこのアルバムを褒めちぎってたのも印象的でした。

       

      Best Track:「Deathless feat. Kamasi Washington」「I Wanna Be Like You」「When Will I Learn feat. Chilly Gonzales」

       

      34. Sam O.B. 「Positive Noise」

       

       

      NY、ブルックリンベースのアーティスト、Sam O.B.のデビュー作。

      デビュー作とは言っても、この人Obey Cityとしての活動も行っていて、これまでも素晴らしいセンスのアーバンサウンドを作り続けてきた人なのである程度のクオリティは保証済みだったわけですが、それにしても期待以上でしたね。

      Blood Orangeのスムースな色気とFKJのブリージンなグルーヴを併せ持ったような超絶気持ちいいモダンソウル!

      どこを切り取っても隙のない洗練され尽くしたサウンドメイク!

      ここ数年のR&B〜エレクトロ〜シティポップな流れの良いとこ取りみたいなアルバムですね。

      この夏のクーラー代わりに大変重宝致しました。

       

      Best Track:「Common Ground」「Balance」「Revolve」

       

      33. Joseph Shabason 「Aytche」

       

       

      カナダ出身のサックスプレイヤー、Joseph Shabasonのデビュー作。

      彼はThe War On DrugsやDestroyerの作品に参加していたり、DIANA(去年のアルバムは超傑作!)のメンバーとしても活動してるんですが、ソロのアーティストとして今回素晴らしい作品を届けてくれました。

      浮遊感のあるジャズ〜アンビエントがただただ心地良くって、夜の睡眠の導入に大活躍でした。

      サックスの優雅な響きが美しいのはもちろん、時折サイケで実験的なエクスペリメンタルなサウンドが加わることで、作品に良い緊張感が生まれているような印象でしたね。

      今年個人的に一番よく聴いたインスト作品となりました。

       

      Best Track:「Aytche」「Tite Cycle」「Long Swim」

       

      32. Ariel Pink 「Dedicated To Bobby Jameson」

       

       

      LA出身の男性SSW、Ariel Pinkの通算11作目(ソロ名義としては2作目)となる新作。

      流行りの音を取り入れようとか、新しく何かにチャレンジしようという気が微塵も感じられないいつもの独自路線。

      夢と現実の狭間を漂い続けるドリーミーでローファイなサイケデリックポップ。

      今作も彼にしか作れない、気持ち良いのか気持ち悪いのか分からない絶妙なラインの世界観。

      自分の中で「変態」っていうのは音楽的な意味で言うと誉め言葉なんだけど、この人はまさに「変態」。

      不特定多数の人に気に入られようなんて気持ちはハナから一切ない、好きな人にだけ伝わればいいやという姿勢が音にも表れていて、そこが妙にグッとくるというか。

      一回好きになったしまったらもう手遅れって感じですね。

       

      Best Track:「Feels Like Heaven」「Another Weekend」「I Wanna Be Young」

       

      31. The War On Drugs 「A Deeper Understanding」

       

       

      フィラデルフィア出身のロックバンド、The War On Drugsの通算4作目となる新作。

      彼らの作り出す音の世界っていうのはもう自分の中では心象風景に近いというか、最初に聴いた時からなぜか懐かしい気持ちになったのを覚えてます。

      今作を最初に聴いた時に感じたのは、夏が終わりに向かっていき徐々に秋の空気に変わってく時の、まだ暑いのに吹いた風が少し秋の匂いがした時の、寂しいけど清々しくて心地良いあの感覚。

      80年代のアメリカーナ・アリーナロックをモダンなアプローチで昇華させたような、疾走感と夢中感の絶妙なバランスが見事でしたね。

      ただ後半がちょっとダレてくる気が…。

      前半が最高なだけにそこがちょっともったいない気がしました。

       

      Best Track:「Up All Night」「Pain」「Holding On」

       

      30. Lana Del Rey 「Lust for Life」

       

       

      NY出身の女性SSW、Lana Del Reyの通算5作目となる新作。

      圧倒的な何かがあるわけではないんだけど、なぜか心を掴まれてしまう特別な響きを持つ彼女のサウンド。

      デビュー時からゴシックでハリウッドライクな路線のポップスを一貫して追求してきたようなところがあるので、正直これまでと大きな変化はありません。

      どこか冷めたようなボヤーっとした色で描かれた世界観。

      こう書いていくと全然好きそうじゃないみたいになっちゃうんだけど、それでも気が付くと聴いてしまうのがLana Del Reyの不思議な魅力。

      彼女が世界的に人気がある理由も実はそういう人が多いからな気がする。

       

      Best Track:「Love」「Lust for Life」「Groupie Love」

       

      29. Miguel 「War & Leisure」

       

       

      LA出身のR&Bシンガー、Miguelの通算4作目となる新作。

      ロックやファンクを下敷きにしたR&Bサウンドにセックスアピール全開なリリックとボーカルをのせるスタイルという、まさしくPrinceフォロワーって感じのエロいR&B専門家みたいな立ち位置を盤石なものにしたような印象。

      相変わらず粘着質でイヤらしいボーカルに、メキシコをルーツに持つ彼らしいラテンのフレイバーも加わったトロピカルでレイドバックなR&B/ファンクが絶妙なマッチング!

      これまで以上にリズムの取り方がファンキーになったというか、ボーカルもワイルドになったかなと。

      ロックファンにもアピールできるR&Bとしてかなり秀逸!

       

      Best Track:「Sky Walker feat. Travis Scott」「Caramelo Duro feat. Kali Uchis」「Come Through and Chill feat. J. Cole & Salaam Remi」

       

      28. Jessie Ware 「Glasshouse」

       

       

      イギリスはサウスロンドン出身の女性SSW、Jessie Wareの通算3作目となる新作。

      派手さや即効性を抑えて聴き込むほどに中毒性を増していくような感覚というか、徐々に良さが分かっていったようなアルバム。

      上手さとあざとさの、艶っぽさといやらしさの間の絶妙に丁度良い大人のためのソフィスティケイテッドソウル。

      ポップとR&Bの臨界点を母親になった彼女なりに追求した、現時点での彼女の到達点なのかなという印象

      彼女の1st「Devotion」は自分にとってライフタイムベストアルバムの内の一つなんだけど、その頃に比べると歌の表現力がかなりワイドになったなぁと。

      昔のクールでドライだったR&Bサウンドが好みど真ん中だったので、その頃の路線のサウンドがもう少しあると個人的には嬉しかったかな。

       

      Best Track:「Midnight」「Your Domino」「Selfish Love」

       

      27. The National 「Sleep Well Beast」

       

       

      もはや貫禄すら感じるオハイオ州出身のロックバンド、The Nationalの通算7作目となる新作。

      エモーショナルなギターと躍動感のあるリズム隊に円熟味と渋さを増したボーカル。

      それらが響かせる音は静と動のコントラストのバランスが完璧!

      恐らく相当な時間を使ってレコーディングされたであろう、細部までこだわり抜かれた音の配置や重ね方。

      立体的というか空間的というか、音の奥行きのレベルが本当に凄い!

      重厚感があるのにさらりと聴かせるサウンドメイクの巧さはさすがとしか言いようがないよね。

       

      Best Track:「Day I Die」「The System Only Dreams In Total Darkness」「Guilty Party」

       

      26. Jay-Z 「4:44」

       

       

      ヒップホップ界のドン、Jay-Zの通算13作目となる新作。

      Beyoncéの去年の傑作「Lemonade」の中で浮気をしていたことが発覚した彼が、それを受けてかなり正直に明け透けに語ったような内容になってます。

      個人的にこの作品を評価したい理由は、プロデューサーをNo I.D.ただ一人に絞っているというところ。

      70sのソウルを中心に渋いネタ使いのオールドスクールなヒップホップを敢えてこの時代にぶつけてきた感じが実に痛快!

      数多くのゲストやプロデューサーを招かなくても、これだけ完成度の高いコンセプチュアルな作品が作れるんだと、レジェンドが自ら示してくれてるようでなんだか嬉しかったです。

       

      Best Track:「The Story of O.J.」「Smile feat. Gloria Carter」「4:44」

       

      25. Jordan Rakei 「Wallflower」

       

       

      ニュージーランド出身でロンドンベースのアーティスト、Jordan Rakeiの2ndアルバム。

      ボーカルはもちろん、ギターやキーボードまでマルチにこなし、プロデューサーとしての面も持つ多才を絵に描いたような彼。

      作品としてのボリュームも、熱過ぎずクール過ぎないボーカルも、グルーヴ感とチルアウト具合のバランスも、ありとあらゆる面で丁度良い。

      ジャジーでスムースなアーバンソウルサウンドが気持ち良いったらありゃしない!

      盟友、Tom Mischも来年いよいよ新作を出すみたいで、並べて聴くのが今から楽しみ!

      マジで永遠に聴いてられるヤツ!

       

      Best Track:「Eye to Eye」「Nerve」「Clues Blues」

       

      24. Nicholson Krgovich 「In an Open Field」

       

       

      カナダはバンクーバーベースのアーティスト、Nicholas Krgovichの5年振り2作目となる新作。

      この人は4年前に1stをリリースした頃から、なんであまり評価されないんだろう?と思い続けてるアーティストの一人。

      日常にスッと溶け込む洗練された大人のポップスを作らせたら、彼の右に出る者はいないと言ってもいいくらいだと思う。

      街の浮かれた空気に負けないくらいキラキラしたポップスでありながら、ジャズやソウルが隠し味として忍ばせてあるから全然くどくなくて何回でも聴けちゃう。

      とりあえず何聴くか迷ったらこのアルバム。

      そんな作品が一番素晴らしいのかも。

       

      Best Track: 「Parade」「Blue Wave」「A Day in October」

       

      23. Dent May 「Across the Multiverse」

       

       

      ミシシッピ州出身の男性SSW、Dent Mayの通算4作目となる新作。

      Animal CollectiveのレーベルからToro y Moiのレーベルに移籍して一発目の今作。

      60sロックや70sAORにインスパイアされたジャストライクハニーな質感の極甘ポップス。

      一音一音のキラめきがハンパじゃない!

      これ嫌いな人なんているの?と思えるくらい普遍的でマジカルな音。

      このアルバムを聴くとThe Beach Boysが聴きたくなるのは自分だけじゃないと思う。

       

      Best Track: 「Across the Multiverse feat. Frankie Cosmos」「Face Down in the Gutter of Your Love」「A Little Bit Goes A Long Way」

       

      22. Mount Kimbie 「Love What Survives」

       

       

      ロンドンベースのエレクトロデュオ、Mount Kimbieの通算3作目となる新作。

      ポスト・ダブステップからベースミュージック、さらにはポスト・パンクまで一緒くたにして、終始スリリングな空気を響かせた「Mount Kimbie」としか表現できないジャンルのサウンド。

      James BlakeやKing KruleといったUKの若手とのコラボで生まれる化学反応は格別の素晴らしさ!

      最初に聴いた時はそれほどハマらなかったんだけど、実は今年の来日公演を観てまして、その時の体がビリビリと痺れるような感覚が忘れられず、気がついたら何度も繰り返して聴くほど虜になっちゃいました。

       

      Best Track: 「Blue Train Lines feat. King Krule」「Marilyn feat. Mikachu」「We Go Home Together feat. James Blake」

       

       

      21. Rapsody 「Laila's Wisdom」

       

       

      ノースカロライナベースの女性ラッパー、Rapsodyの2ndアルバム。

      Kendrick LanarやAnderson .Paak、Busta Rhymesといった猛者達に食われることなく、存在感のあるパワフルなラップを聴かす圧巻のラップスキルがまず凄い!

      そして9th Wonderによるソウルフルでドープなサウンドもかなりハイレベル!

      ブラックミュージック界の重要人物達がこぞってこのアルバムを絶賛してるのも納得!

      少なくともここ数年の女性ラッパーの作品ではベストだと思う。

       

      Best Track: 「Power feat. Kendrick Lamar & Lance Skiiwalker」「Nobody feat. Anderson .Paak, Black Thought & Moonchild」「Knock On My Door feat. BJ the Chicago Kid」

       

      20. Anna of the North 「Lovers」

       

       

      ノルウェーベースのアーティスト、Anna of the Northのデビュー作。

      マイナスイオンをたっぷり含んだクリアで爽やかなシンセポップ。

      北欧ポップスの良い所を凝縮したような、キャッチーでカラフルなサウンドは何度聴いても飽きのこない仕上がり。

      The CardigansやRobyn、Annieなど、ノルウェーは昔から良質なポップスを数々生み出してきた地域だけど、彼女もそのセンスを受け継いだ素晴らしい才能の持ち主。

      それはTyler the Creatorが目をかけてることからも分かるよね。

      今年屈指のポップアルバム!

       

      Best Track:「Someone」「Always」「Fire」

       

      19. Mura Masa 「Mura Masa」

       

       

      UK出身のDJでプロデューサー、Mura Masaの待望のデビュー作。

      ゲストのセレクトも含め、多様性が重要な今という時代を切り取ったトラックメイクのあまりの鋭さにクラクラ!

      トロピカルな音使いを活かしたミニマルな作りのクラブサウンドは、現行シーンを的確に捉えつつその何歩も先を進んでる。

      今年の自分の音楽的な嗜好はわりかしノスタルジックでゆるーいサウンドのものが多かったんだけど、彼のキレキレなエレクトロポップは完全に別腹って感じ。

      実は一番2017年っぽい音はこのアルバムかもね。

       

      Best Track: 「Nuggets feat. Bonzai」「1 Night feat. Charli XCX」「What If I Go?」

       

      18. Julien Baker 「Turn Out the Lights」

       

       

      テネシー州出身の女性SSW、Julien Bakerの2ndアルバム。

      痛々しいほど真っ直ぐで無防備、悲しいくらい剥き出しの声や歌詞、ピアノやギター中心の極シンプルなフォーク・ロック。

      自分が同性愛者であることや家庭の問題で心の内に溜まっていった孤独感を、歌うことで吐き出していた彼女。

      圧倒的な美しさと何かを伝えようとする力がダイレクトに突き刺さってくる感じ。

      どこまでも伸びていきそうな、ただ美しいだけじゃない何かが宿った歌声はまさに圧巻!

       

      Best Track: 「Appointments」「Turn Out the Lights」「Shadowboxing」

       

      17. Washed Out 「Mister Mellow」

       

       

      ジョージア州出身のアーティスト、Washed Outの通算3作目となる新作。

      メロウでムードでグルーヴィーでローファイでドリーミーでチル。

      自分が飛びつきそうなキーワードを全てミックスして出来たような感じ。

      無意識レベルで体が揺れ出すグルーヴポップ〜チルウェイヴサウンドが心地良すぎ!

      フリージャズ、ハウス、ヒップホップ、サイケを合わせたようなサウンドを目指したらしいんだけど、聴けば聴くほど彼がStones Throwに移籍した意味が分かるような内容なんだよね。

      タイトルからもうズルい。

       

      Best Track: 「Floating By」「Hard to Say Goodbye」「Get Lost」

       

      16. Calvin Harris 「Funk Wav Bounces Vol.1」

       

       

      スコットランド出身のDJ・プロデューサー、Calvin Harrisの通算5作目となる新作。

      正直これまでの彼の作品はそこまで琴線に触れるものではなかったんだけど、今回の80sブギー・ディスコリバイバルな路線は好みドンピシャって感じ。

      始めから終わりまで全ての瞬間で全力で踊らせにかかってくる、ごっさファンキーでグルーヴィーな極楽サウンド聴いてテンション上がらないわけないでしょ!

      一体いくらのお金が動いたのかってくらい豪華なゲストのオンパレードだけど、無駄使いになってないのがさすが!

      今年の夏はこのアルバムを聴かずして乗り切るのは不可能だったなと言い切れるくらいお世話になったかなぁ。

       

       

      Best Track: 「Slide feat. Frank Ocean & Migos」「Heartstroke feat. Young Thug, Pharrell Williams & Ariana Grande」「Rollin feat. Future & Khalid」

       

      15. Laurel Halo 「Dust」

       

       

      アメリカ・ミシガン州出身で現在ドイツ・ベルリンベースのアーティスト、Laurel Haloの通算3作目となる新作。

      エレクトロ〜ダブ〜ジャズ〜ポップな摩訶不思議サウンドに、民族音楽由来のパーカッションのリズムが加わって恐ろしく中毒性の高い仕上がりに。

      今まで自分が聴いてきたどのジャンルの音楽にも属してない感じ。

      この人恐らくかなりの音楽マニアで、めちゃくちゃ色んなジャンルの音楽を聴いて自分のものにしてるんだと思う。

      敢えて言うならSun Raに近いかな。

      日本語がフィーチャーされてる曲も流れの中で違和感なく鳴らす感覚の鋭さはさすがHyperdub所属って感じ。

       

      Best Track: 「Sun to Solar」「Moontalk」「Do U Ever Happen」

       

      14. Yellow Days 「Is Everything Okay in Your World?」

       

       

      今年トップクラスで衝撃を受けたライジングなアーティスト、Yellow Daysの去年のEPに続く待望のデビューアルバム。

      ブルースからジャズからヒップホップから、自分の好きな音をデタラメにミックスしたようなサイケデリック・ローファイポップ。

      様々な音楽メディアで次に来るヤバいヤツとして名前が挙がるのも納得の才能とセンス。

      サイケでローファイなサウンドと、18歳とは思えないブルージーでエモーショナルな歌声のアンバランスさが不思議とクセになる!

      よく比較されるKing Kruleとはまた違うヤバさって感じ!

       

      Best Track: 「That Easy」「The Tree I Climb feat. Nick Walters」「Lately I feat. Rejjie Snow」

       

      13. dvsn 「Morning After」

       

       

      DrakeなどのプロデューサーとしてもおなじみのNineteen85によるプロジェクト、dvsnの去年のデビュー作に続く新作。

      R&B好きのR&B好きによるR&B好きのためのアルバムって感じ。

      90sな空気感のドープでエロティックなムードで統一されたひたすら美しい世界観。

      前作の神々しいまでの神秘的なオーラはやや薄れ、ヴィジュアライズされて肉感的になった印象。

      聴いてると崇高な気分になってくるというか、まるで絶景を観ているような感覚! 

      今作もイヤホンで聴くのをおすすめします。

       

      Best Track: 「Keep Calm」「Mood」「Can't Wait」

       

      12. Blue Hawaii 「Tenderness」

       

       

      カナダ・モントリオールベースの男女デュオ、Blue Hawaiiの2ndアルバム。

      元々はプライベートでもカップルだった2人の奇妙で微妙な関係や感情を表したような、様々なテイストの楽曲がもれなくハイクオリティで全く飽きの来ない仕上がり。

      90sディープハウスやディスコ由来のダンサブルなアッパーチューンもあれば、R&B〜チルウェイヴな質感のメロウなスロージャムもあったり。

      ジャケットやタイトルが意味してるのは、

      遠く離れていても近くにいるような温かさを感じ、バーチャルでもリアルでもお互いの優しさを求め合うことなんだそう。

      オンラインで簡単に繋がれる今の時代だからこそ生まれてしまう寂しさみたいなものがサウンドにも表れてて面白かったですね。

       

      Best Track: 「No One Like You」「Versus Game」「Make Love Stay」

       

      11. Kllo. 「Backwater」

       

       

      オーストラリア・メルボルンベースの男女デュオ、Klloの待望のデビューアルバム。

      これまでの2作のEPの完成度の高さも凄かったけど、それに輪をかけて全ての面でレベルアップした圧巻のクオリティ!

      現行のクラブミュージックの空気を的確に捉えたクール&ダウナーなエレクトロポップ。

      2ステップ〜R&Bを通過したDisclosure以降の音に、オリジナルのカラーを加えて昇華させたサウンドメイクの着地の仕方がとにかく見事! 

      同じベクトルのサウンドと言えるJacques Greenの新作も素晴らしかったけど、より歌声がフィーチャーされた彼らのサウンドの方が好みだったかな。

       

      Best Track: 「Downfall」「Virtue」「Last Yearn」

       

      10. Phoebe Bridgers 「Stranger in the Alps」

       

       

      LAベースの女性SSW、Phoebe Bridgersのデビュー作。

      信頼と実績のレーベル、Dead Oceansからのリリースということで期待しかなかったわけだけど、案の定素晴らしい出来映え。

      クールでドライなボーカルが映えるようによく練られたソングライティングと、アコースティックなサウンドのマッチングがとにかく見事!

      秋の訪れを告げるような、ハートウォームでちょっぴり寂しげなフォークが心に沁み入ります。

      デビュー作にして既にエヴァーグリーンなオーラを放ってる、今年の最優秀新人賞候補の一人。

       

      Best Track: 「Motion Sickness」「Funeral」「Scott Street」

       

      9. Alvvays 「Antisocialites」

       

       

      カナダ・トロントベースのバンド、Alvvaysの待望の2ndアルバム。

      夏のギラついた日差しではなく秋の心地良い陽の光のような、程よい暖かさとキラキラ感が詰まった最高の一枚。

      ノスタルジックでドリーミーでセンチメンタルで。

      聴き終わった後に残る余韻は、一本の映画を観終わった時の感覚に近いかも。

      このまま終わらなければいいのにとさえ思ったよ。

      音楽でテンションを上げたり、気分を落ち着かせたり、楽しみ方は人それぞれ色々あるけど、日常に溶け込んでその一日を少しだけ彩ってくれる作品が実は一番大切なのかもなぁとこのアルバムを聴いて思いました。

       

      Best Track: 「In Undertow」「Dreams Tonite」「Pimsoll Punks」

       

      8. Daniel Caesar 「Freudian」

       

       

      カナダ・トロントベースのシンガー、Daniel Caesarのデビュー作。

      女性上位なイメージがあるR&Bシーンにおいて、KhalidやGallantと共に、個人的に今後が最も楽しみな男性アーティストの一人。

      SydやH.E.R.などのゲストのセレクトも含め、今のR&Bシーンのムードをこれ以上ないほど的確に捉えた、とろけるようなメロウチューンのオンパレード!

      父親がゴスペルシンガーということもあって、バックにクワイアの荘厳なコーラスをフィーチャーした曲がいくつかあるのも印象的。

      オルタナティブなセンスを含め、Frank Ocean以降の何かを宿した才能の持ち主って感じで今後がかなり楽しみな存在。

       

      Best Track: 「Get You feat. Kali Uchis」「Best Part feat. H.E.R.」「Take Me Away feat. Syd」

       

      7. LCD Soundsystem 「american dream」

       

       

      NYベースのJames Murphyが中心のバンド、LCD Soundsystemの7年振り通算4作目となる新作。

      本当に待ちに待ったアルバムを聴く時って軽く緊張しちゃうタイプなんだけど、彼らの新作を再生したらそんな感情なんかすぐ忘れて、勝手に体が動き出して気分は最高潮に!

      ファンがどういう音を求めてたかを完全に理解したダンスロックの極みのようなサウンド!

      一発でLCDだと分かるような、彼らにしか生み出せないオリジナルの音がそこかしこに散りばめられてて、それがもれなく反則的にカッコいいんだよね。

      長年活動を休止してたとは到底思えない現役感というか、ここにきて新たにここまでのクオリティの作品を出せるJamesのクリエイティビティには心底恐れ入りますね。

       

      Best Track: 「i used to」「change yr mind」「tonite」

       

      6. Tyler, the Creator 「Flower Boy」

       

       

      LA出身のラッパー、Tyler, the Creatorの通算4作目となる新作。

      若手中心のゲストと制作陣による恐ろしく中毒性の高いメロウでルーズなゆるふわヒップホップ。

      今年一躍名を売ったRex Orange CountyやAnna of the North、Kali Uchisなどのライジングなアーティストを積極的に起用するあたりは、彼の音楽マニアっぷりが伺えますね。

      ここまでゆるさと聴き応えのバランスがとれたラップ作品ってちょっと記憶にないかも。

      カラフルなジャケットとは裏腹にかなり暗く病んだリリックなのも興味深いところ。

      シリアスとコミカルのバランスが抜群だよね。

       

      Best Track: 「Foreward feat. Rex Orange County」「Boredom feat. Anna of the North & Rex Orange County」「911 / Mr. Lonely feat. Anna of the North, Frankie October & Steve Lacy」

       

      5. Toro y Moi 「Boo Boo」

       

      サウスカロライナ州出身のアーティスト、Chaz Bundickによるソロ・プロジェクト、Toro y Moiの通算5作目となる新作。

      80sフレイバーと90sバイブスに00s以降のトレンドを絶妙な配合でブレンドさせた悶絶気持ちいいレトロモダンソウル。

      懐かしさと新しさがパーフェクトなバランスなんだよね。

      音楽的にはもちろん、ファッションや映像的な意味でもそのセンスを完全に信頼しきってる人が自分の中で3人いて、Dev Hynes、Robin Hannibal、そしてToro y Moi。

      何もかもが完璧に自分のツボを押しにくる感じで、この夏一番のサウンドトラックになりました。

       

      Best Track: 「Mirage」「Girl Like You」「Labyrinth」

       

      4. Moses Sumney 「Aromanticism」

       

       

      LAベースのアーティスト、Moses Sumneyの待望のデビューアルバム。

      これまでのシングルやEPが全て素晴らしい出来で、本当に心待ちにしていたアルバムだったのでかなりハードルが上がってたんだけど、遥か上を飛んでいった感じ。

      聴き手を一瞬で引きつけるボーカルに、神々しさすら感じるほど美しいフォークトロニカ〜モダンソウルなサウンドクリエイション。

      全てにおいて圧倒的なものを聴かされてただひれ伏すしかない。

      彼に関してはかなり早い段階からヤバいヤツだと気付いてたという自負があるので、今作の評価の高さはやっぱりね的な思いが正直あるかな。

      間違いなく向こう10年の最重要アーティストの一人!

       

      Best Track: 「Quarrel」「Lonely World」「Indulge Me」

       

      3. Yumi Zouma 「Willowbank」

       

       

      ニュージーランド出身の4人組バンド、Yumi Zoumaの去年のデビューアルバムに続く2ndアルバム。

      程良くアーバンな香りのドリーミーポップサウンドの心地良さはそのままに、前作以上にシティポップバンドとしての洗練度合いを深めた印象。

      前作よりR&B色が薄れた分、バンドのアンサンブルの巧みさが際立っていて、ボーカルの涼しげな響きと最高にマッチしてる。

      踊れてくつろげて、キラキラで切なくて。

      好きなアルバムって自分の中で2パターンあって、最初に聴いた時に衝撃を受けてハマるタイプと、気付いたらまた聴きたくなって日常的に当たり前のように流れてるタイプ。

      このアルバムはまさに後者にあたる作品で、この先も長い付き合いになるであろう一生モノに出会ったような気分です。

       

      Best Track: 「Depths (Pt.1)」「Persephone」「December」

       

      2. Kelela 「Take Me Apart」

       

       

      ワシントンD.C.出身のシンガー、Kelelaの待望デビューアルバム。

      これまでのミックステープやEPのリリースの度に高めてきた期待を爆発させたかのようなあまりにも完璧な一枚。

      エレクトロやドラムンベースをブレンドさせた一点の隙もないハイブリッドなフューチャーR&B。

      一音一音のエッジの効かせ方とかスムース&クールなボーカルの魅せ方とか、全てにおいてやってることのレベルの高さが尋常じゃない!

      90sオマージュの散りばめ方とかマジでセンス良すぎ!

      自分は去年のSolangeの「A Seat at the Table」がR&Bの進化を急速に加速させたと思ってるんだけど、その一番理想的な形の回答の仕方がこのアルバムなんじゃないかな。

      圧巻!

       

      Best Track: 「Frontline」「Waitin」「LMK」

       

      1. King Krule 「The OOZ」

       

      ロンドンベースのアーティスト、King Kruleの2ndアルバム。

      Archy Marshall名義のアルバムをはさみ、約4年振りにドロップされた今作を最初に聞いた時に受けた衝撃は今でも鮮明に覚えてる。

      ジャズの匂いが煙たく立ち込めた、60sナイトクラブな質感のポストロック〜インダストリアル・ソウル。

      痺れる程にディープでカオスなサウンドテクスチャー。

      さらっと加わるサックスやピアノの音色の格好良さったらもう・・・。

      何かとんでもないものを聴いてるという感覚。

      どんな生き方をすれば23歳でこんなとてつもないアルバムが作れるんだろう?

      凄すぎる!ヤバすぎる! 

      やっぱりこの人は天才でした。

       

      Best Track: 「Dum Surfer」「Cadet Limbo」「Czech One」

       

      というわけで長々と書いてきましたが、こうやって振り返ると今年もかなり豊作でしたよね。

      自分の中では音楽の楽しみ方がちょっと変わった半年間で、これまでは最初に聴いてピンとこなければもう聴かないというタイプだったんだけど、一旦寝かせてもう一度聴いてみることを試したところ、最初分からなかった良さに気付くこともよくありました。

      それはこの半年に限らずだけど、音楽界の流れのスピードが本当に速くて、自分でも気付かない間にかなりの量の音楽を聴いてるから、それだけ自分の耳も変わってるというのもあるかもしれません。

      今年間ベストアルバムも作成中なんですが、上半期聴き逃してた作品も結構入ってくると思います。

      出来たらまた発表したいと思います。

      よかったらチェックしてみてください!

      最後までお付き合い頂きありがとうございました!

       

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